Kanon 第22話「追想の交響楽 ～symphony～」

　
翌日――。
裕一が、病院によってから家に帰ると名雪は少し食事もして部屋の鍵も開いていた。
でも、部屋に入ると名雪に出ていってと拒絶される。
裕一は落ちつかせようと、 秋子さんはきっとよくなると励ます。
しかし、名雪には信じられない。

「…祐一、奇跡って起こせる…？」
暗くした部屋の奥で小さくなった名雪が問う。

ずっと秋子さんと二人だけで暮してきた名雪…
母がいるから頑張ってこれた。それなのに一人になってしまう…
祐一は、学校のみんなや自分がいるから、ひとりじゃないと言うが。

「７年間私のこと忘れてたのに…
　うそつき……」

手紙を出しても返事もくれなかった祐一…
再会の時、名前も覚えていないかもと不安だった。
そう言う名雪に、祐一は雪ウサギの目にしていた赤いビーダマを渡し。
７年前の別れの日、雪ウサギを壊したことを思い出したと謝罪する。

でも、名雪はダメなんだよと否定。
「私、もう笑えない…、笑えなくなっちゃったよぉ。
　ずっとお母さんと一緒だったんだから…」

泣き出す名雪に、祐一は声をかけようとするが、出てって！　と強く拒絶される。
なにもできず部屋を出る祐一…。

自室に戻った祐一は、前にも何もできなかったことを思い出す。
誰かが大怪我をして、自分は何もできなかった…

そして――、最後の封じられた記憶を取り戻す。

７年前、街を離れる日。
森の学校に、あゆへの贈り物を持って行った祐一。
また会うことを約束し。

いつものようにあの樹に登ったあゆ…
その時、突風がふき…
バランスを失ったあゆは、地面に落ちて…

感覚のなくなっていくなか、あゆは、それでも『また遊んでくれる？』と望んだ。
祐一は、動かないあゆの指を取って、指きりした。

「約束…だ…よ――」

それが最期のあゆの言葉――最後の約束…。


追想から醒めた祐一は、家を飛び出す。
様子を見にきた北川に名雪を頼み、雪の降り出した中を走り出す。
あゆのカバンと天使の人形を持って。
向かう先は、あゆとの約束の場所――。

夜も更け、雪が吹雪きになるなか、祐一は、森の学校――切り株の場所に辿りつく。
あゆの名前を叫ぶ。
しかし、あゆは現れない…
祐一はあゆを探して森の中へ…

しかし、吹雪きのなか、祐一はついに力尽きる。

「このまま、じっとしていればアイツのところへ行けるのかな…？
　ゴメンな、みんな…」

倒れた祐一の体を雪が覆っていく…
そこに足音がして――。
現れたのは真琴！？
真琴は、祐一を暖めるように覆い被さり、その名を呼ぶ。

すると温かい光が、二人の前に現れる…
真琴は姿を消し、祐一は光に一瞬目覚めてまた倒れる。

祐一は、あゆに赤いカチューシャを贈ったことを追想する…
「今度、裕一くんに会うときはこれつけていくね…」

それがあゆと裕一がした約束――。


まさかの真琴の再登場にビックリ。
祐一の見た幻なのか、また再びの奇跡なのか…。

あゆと祐一は再会できるのか。次回があゆ編最終章？

…あゆのこと思い出したといえ、名雪を放ってきたのはどうかと思う。
名雪、カワイソウだよ…

次回　第23話「茜色の終曲　～finale～」
　
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